FTXJPが出金サービスを再開しています。仮想通貨投資歴1年目にして経営破綻した取引所に自己の資産をロックされるという貴重な体験をさせてもらいましたが、当該出金サービスにより全ての資産を取り戻すことができました。結果的に取り戻せたから良かったものの、今回の体験を通じて得た教訓として、仮想通貨投資においては、初心者は国内取引所のみの利用がおすすめというお話をします。
海外取引所について
海外取引所は正直魅力的です。①アルトコインのラインナップが豊富、②高レバレッジでの先物取引が可能、③ステーキングの利回りが高い、などのメリットが挙げられます。ざっくり言えば、国内取引所と比較してハイリスク・ハイリターンな投資ができる、という理解で良いと思います。一方、取引においては、基本的に日本円は利用できず、国内取引所等で購入した仮想通貨を送金するなどのステップを踏む必要があり、手間がかかることはデメリットです。最もこのようなデメリットは大したものではありません。最大のデメリットは以下と考えます。
ハッキング被害や経営破綻など取引所に何らかの不具合があった場合、預け入れた資産の返還が必ずしも保証されない、ということです。
まだまだ業界として発展途上ですから、これらの不具合は割と頻発しています。大手の取引所であっても例外ではありません。現に業界最大手の一角であるFTXは唐突に経営破綻しました。そして、国によっては顧客の資産を保全するための法整備なども整っていません。実際、FTXの経営破綻後、現状ではFTXの日本法人であるFTXJP(即ち、国内取引所)のみが顧客資産を返還できており、他国の法人はいずれも返還できていない、という認識です。ハイリスク・ハイリターンな投資環境を得るために、投資そのものとは別個のリスクを更に負う必要があります。株など他の金融商品の取引では考えられません。
国内取引所について
続いて国内取引所について説明します。まず、いくつかの特徴としては、①アルトコインのラインナップが少ない、②先物取引のレバレッジが最大2倍までに制限されている、③ステーキングの利回りが低い、などが挙げられます。これをデメリットと言えるのかは何とも。基本的に、海外取引所と比較してローリスク・ローリターンな投資しかできない、とは言えますが、あくまでも比較した場合の話であって、ラインナップされたコインの現物取引のみで十分なリターンが狙えるように思います。株など他の金融商品と比較すれば十分過ぎるほどハイリスク・ハイリターンですから、仮想通貨投資の醍醐味を存分に味わえます。このような投資そのものの特徴も大事ではありますが、日本の法制により金融庁の認可を受けた上で運営されていることが最も重要な特徴です。認可=日本の法制による規制を遵守して運営することを義務付けられることで、あまりにもハイリスクな投資は禁止される一方(上述したレバレッジの制限等)、顧客資産の保全という観点でこれはメリットです。例えば顧客資産と取引所自身の資産は分別管理されており、これこそがFTXJPが早期に顧客資産を返還できた最大の理由です。分別管理は証券会社などでは従前から当然に実施されていることですが、仮想通貨業界においては特筆すべきことだと言うことです。国内取引所においては、投資そのものとは別個のリスクを負う必要がありません(少なくとも預入資産の保全という意味では)。
結論:初心者は国内取引所のみの利用がおすすめ
以上より、初心者は、株などと比較してハイリスク・ハイリターンな投資ができつつ、投資そのものとは別個のリスクを負う必要のない、国内取引所のみの利用をおすすめします。あくまでも私見です。中上級者はこの限りではないと思います。また、エンターテイメントとしてスリルを味わうことそれ自体が目的など、人それぞれ個別具体的な事情もあるでしょう。最後は自己判断で。